環境対策
畦畔の雑草対策として、除草剤を使用せず、人力・機械力で草刈りし、チドメグサ・ヘビイチゴ・ゲンノショウコ等の在来種による地覆をして環境に配慮した抑草に努めています。
ホタル
ホタル 2015年6月
いこいの杜の管内で、事務所のすぐそばにある小さな川に、最近ホタルが沢山住み着くようになりました。農薬をなるべく使わないようにしたり、人間が少し環境を思いやるだけで自然環境は良い方に変えられるんだと思います。これからもホタルがどこの川にもいるような風景を残せるように、環境に配慮した営農活動を心がけていきたいと思います。
草刈りについて
草刈りは「聖なる戦い」である
ほとんどの作業が機械化された現在、残る人力重作業はアゼ(畦畔)の草刈りのみとなりました。
アゼの草刈り・除草対策として
ほとんどの作業が機械化された現在、残る人力重作業はアゼ(畦畔)の草刈りのみとなりました。
アゼの草刈り・除草対策として
a.アゼのコンクリート化・アゼカバーシート | |
長所:ほぼ完璧 短所:値段が高い。アゼ際の雑草処理が必要。景観が殺風景に。 | |
b.除草剤の使用 | |
長所:作業が楽。 短所:アゼが痛む。環境汚染の恐れがあり、食品生産者として恥ずかしい。 | |
c.背丈の低い植物による地覆・抑草 | |
長所:a.bの短所を補う。空中のCO2の固定が期待できる。 短所:定着までの初期管理に手間がかかる。 |
以上、3つの方法が考えられます。
私たちとしては、cの方法を採用したいと思っています。
数種類の植物がそれぞれ群生し、まだら模様をなして畦畔を覆う風景を理想とします。そして、地覆植物としてヘビイチゴ・チドメグサ・ユキノシタ・ゲンノショウコ・ジシバリ・フキ・ドクダミ等の在来種を採用したいと思っています。
従来は、草刈りを一回でも少なくするために、土ぼこりをあげてまで根元から刈っていましたが、同時に背丈の低いヘビイチゴ・チドメグサ等も刈り、結局は数十年同じことの繰り返しを行っています。
問題は、ヘビイチゴ・チドメグサ等がアゼを完全に覆い、他の雑草の発生を抑えてくれるまでの数年間の管理=草刈りです。今回の方法では地際のヘビイチゴ・チドメグサを保護するために、約10~20cmの高さで草刈りする必要があり、そのために従来より数回多く草刈りしなければなりません。
私たち農家は、先進国の消費者としてまた生産者として、大量生産・大量消費・大量廃棄のシステムに組み込まれており、CO2の大量放出 ⇒ 地球の温暖化 ⇒異常気象の多発に責任があります。そこで耕地面積の5%を占めるアゼにもCO2の固定化に寄与してもらいたいと思っています。その意味でも、草刈は単に良好な風景を維持するためだけでなく、地球の将来のための「聖なる戦い」なのです。
私たちが、除草剤の使用を控え、アゼにも空中CO2の固定に役立ってもらいたいとし、そのために人力による草刈りをお願いするのも、それが環境保全のための「聖なる戦い」と位置づけるからです。組合としても、歩行型草刈機(芝刈り機の一種)やトラクター装着型法面草刈機を導入するなど、より徹底したいと思っていますが、それでも機械での刈り残しが発生します。その部分はあくまでも人力に頼る他ないのです。